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​遺言の作成をお勧めする理由

≪理由①≫ 残されたご家族が、円満に相続することができます。

残念ながら、相続に関するトラブルは増加傾向にあり、相続する家庭の20軒に1軒の割合でトラブルが発生しているようです。

相続に関するトラブルは、一部の裕福な家庭だけでなく、一般のご家庭でも多く発生しています。

司法統計でも、2010年度の相続に関する紛争件数に対する相続額の割合は、相続額が「1000万円以下」で30.9%、「1000万円超5000万円以下」で43.3%となっております。

つまり、紛争の約75%が相続額5000万円以下のご家庭で発生しています。

また、これらのトラブルは、遺産分割協議の過程で発生することが多いようです。

有効な遺言を作成しておけば、遺産分割協議は不要です。

​つまり、『有効な遺言書の作成』は、トラブルを回避する有効な手段となり、残されたご家族は円満に相続することができます。

≪理由②≫ 法定相続人以外の方にも遺産を残すことができます。

法定相続人とは…、

ⅰ)配偶者+子(孫・ひ孫が代襲相続する場合があります)

ⅱ)配偶者+子がいない場合は父母などの直系尊属

ⅲ)配偶者+子も直系尊属もいない場合は兄弟姉妹(甥・姪が代襲相続する場合があります)

上記以外の者は、法定相続人ではありません。

よって、親身に介護をしてくれた、子の配偶者(例えば長男の妻など)に財産を残したい場合には、「遺言書」に『遺贈』として記載すればそれが可能になります。

また、法定相続人(代襲相続できる者を含む)がいない場合には、その遺産は国庫に帰属します。

お世話になった方などに財産を残したい場合にも、「遺言書」により『遺贈』できます。

つまり、「ご自身の財産」をどのように残すかを「ご自身の意思」で決めることができ、法定相続人以外の方にも財産を残すことができます。

≪理由③≫ ご家族に対する想いや希望を伝えることができます。

ご自身が亡くなる前、死を覚悟し、意識がしっかりしていて、ご家族とお会いできる状況であれば、ご家族に対して直接いろいろな想いや希望を伝えることができるでしょう。

しかし、残念ながらそのようにできるとは限りません。

事故、病気の急変、認知症…、様々な要因により、ご家族に対する想いを伝えられないまま亡くなることもよくあります。

私の父が亡くなったときも、亡くなる1週間ほど前から、癌による痛みを抑えるため薬を使って強制的に眠らせており、意思の疎通はまったく取れませんでした。

普段、面と向かって伝えられないご家族に対する想いも、遺言書の中に文字としてであれば伝えることができるのではないでしょうか。

遺言書には、このような貴方の『想い』や『希望』を「付言」として記載することができます。

≪理由④≫ 残されたご家族が行う相続手続きを軽減することができます。

残されたご家族には行わなければならないことが沢山あります。

役所への死後手続、香典返しの選定・発送、四十九日法要(五十日祭)の準備・案内、仏壇(祖霊舎)・墓地・墓石の選定・発注、税務署での準確定申告、各種契約の変更手続き…その他

その多忙な中、「相続財産の調査」・「相続人の確定」を行い、それに基づいて「分割協議」をし、その結果を「遺産分割協議書」として書面にするのは、残されたご家族にとって大変な負担になります。

​「有効な遺言書」を作成しておくことにより、残されたご家族が行う相続手続きの負担を軽減することができます。

≪理由⑤≫ 事業を行っている場合、事業承継をスムーズに行うことができます。

株式会社その他の事業を行っている場合、遺産分割が終了するまでの間、会社はとても不安定な状況に陥ります。

遺産分割後の株式等の保有割合によっては、会社の経営権が移ってしまう恐れなどがあるからです。

また、経営権は移らなかったとしても、株式の拡散などにより、会社の意思決定がスムーズに行えなくなる恐れもあります。

遺言により、事業の承継者や会社株式の相続方法を決めておくことで、事業承継をスムーズに行え、会社の従業員や取引先からの信用を高めることができます。

また、遺言により、5年を超えない範囲内で『分割禁止』をすることができます。

『会社株式の分割禁止』は、相続時の会社経営の安定化に有効であると思われます。

≪理由⑥≫ 遺言執行者を指定することができます。

遺言執行者とは、「遺言の内容を実現する者」のことです。

遺言執行者を指定するメリットとして…、

ⅰ)ご遺族の同意を得にくい遺贈(法定相続人以外の者へ財産を残したい場合)をスムーズに行うことができます。

ⅱ)相続財産である預貯金の解約や名義変更などをスムーズに行うことができます。

また、遺言の内容によっては、遺言執行者を指定しなければならない場合があります。

・遺言により、子を認知する場合。

・遺言により、相続人の「廃除」「廃除の取消し」をする場合。

・遺言により、「一般財団法人」を設立しようとする場合。

遺言で、遺言執行者の指定または指定の委託をしていない場合、お客様の死亡後に「ご遺族が家庭裁判所で遺言執行者選任の申立」を行わなければならず、ご遺族にとっては大変な負担となります。

遺言で、遺言執行者の指定を行うことにより、貴方の想いがスムーズに実現でき、かつ、残されたご家族の負担を減らすことができます。

遺言執行者についてはコチラ

遺言は、いつ作成すれば良いのでしょう?

某予備校のH先生であれば、『今でしょ!』と言うのでしょうが…、

できれば早めの作成をお勧めします。

何故ならば…、

≪理由①≫ 遺言能力の問題

遺言書を作成する時点で『遺言能力』が必要となります。

『遺言能力』とは、「遺言者が、遺言事項(遺言の内容)を具体的に決定し、その法律効果を弁識するのに必要な判断能力」であり…、

遺言能力のない者がした遺言は無効とされます。

≪理由②≫ 費用の問題

移動が困難になると、『費用が増加する可能性』があります。

ご自身で「自筆証書遺言」を作成される場合は問題ありませんが、専門家にサポートを依頼される場合には「出張費」が発生する可能性があります。

公正証書遺言」を作成する場合には、公証人に対する「基本料金の増額」+「旅費」+「日当」が発生します。

遺言の内容は、何度でも変更することができます。

後で後悔されるよりも、出来るだけ早めに作成されることをお勧めします。

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