遺産分割協議書の作成
遺産分割協議書の書き方に、法律上の特別な決まりはありません。
ここでは、遺産分割協議書を作成する上での注意点を挙げてみました。
「誰の相続」なのかについては、被相続人の「氏名」「生年月日」「死亡日」「本籍地」「最後の住所」
を戸籍などのとおりに記載します。
「誰が協議した」のかについては、「相続人○○○○、同△△△△は、分割協議を行った結果」
などと記載します。
②「誰が」「何を」「どれくらい」相続したのかを、誰が見ても解るように記載します。
不動産であれば、「○○○○は、(所在、地番、地目、面積)の土地および(所在、家屋番号、種類、構造、床面積)の建物を相続する。」と記載します。⇒登記簿のとおりに記載してください。
現金・預貯金であれば、「△△△△は、現金◇◇◇万円および◆◆銀行◆◆支店・預金種別・口座番号を相続する」と記載します。
③何も相続しない者がいる場合、その者も署名・押印が必要です。
家庭裁判所で相続放棄の申述をしていれば、相続人ではないため協議に参加しません。
しかし、相続放棄の申述をしていない場合には、何も相続しない旨を記載し、署名・押印が必要です。
④分割協議以降に遺産が発見された場合に備えた記載をお勧めします。
分割協議以降に遺産が発見された場合には、その遺産について改めて遺産分割協議を行わなければなりません。
しかし、遺産分割協議書への記載によっては、「新たに発見された遺産について、協議は行わない」とすることもできます。
どちらにしても、遺産が新たに発見された際の対応を決めておき、遺産分割協議書に明示しておくことをお勧めします。
新たに発見された遺産についての記載例
遺産分割協議を行う場合⇒「本遺産分割協議の対象とならなかった遺産が、後日に確認または発見された場合は、その遺産については、改めて相続人間で協議し、分割を行う。」など。
遺産分割協議を行わない場合⇒「本遺産分割協議の対象とならなかった遺産が、後日に確認または発見された場合は、その遺産については、相続人○○○○が取得する。」など。
⑤相続人全員が署名し、実印を押印して印鑑証明書を添付します。
未成年者の特別代理人などがいる場合には、その者が未成年者に代わり「署名・押印」します。